目を覚ましたらミイさんの姿がなく、眼鏡もかけずに探していたら何ともなしにお手洗いから出てきた。おはよう。本気で焦った自分に気が付き笑ってしまう。絶好調は終わってしまったかもしれないな。ママの姿を探して泣く赤ちゃんみたいな弱さを自覚する。
昨晩、大きな里芋に片栗粉をまぶして揚げた。ミイさんを送り出した後、それをトースターでこんがりと温めなおし軽く塩を振ってあむとかぶりつく。カリカリでほくほくでトロトロ。変に繊維を感じなくて均一にむちっとした里芋を引けたら大当たりだ。
ハナレグミの弾き語りツアー、Faraway so closeに参加してきた。数日前に勢いで行くことを決めたライブ。一人で遊びに出掛けていける体力が戻ってきたことを実感し嬉しさを噛みしめる傍ら、やっと手に入れた元気を大切にしようと気を引き締める。
昨日から擦り減ることが立て続けにあって、すっかりぺそぺそで生傷だらけの心の私である。今日は三週に一度の病院に行く日で、ミイさんにも同行してもらった。
いつも机の上に開いている手帳を一頁めくる。今日から草木茂りまさる弥生。今日を繰り返す毎日の中にあって、分かりやすい区切りは時にありがたい。改めてスタートした生活が積み重なり、日一日と心地よい重みが増すのを少し立ち止まって感じる。
「明日も朝起きたらパーティーしよう」とミイさんに言われ、何をしよう、やったやったと喜んでいたら目覚ましアラームが鳴った。ここ最近で一番愉快な夢を見た。
昼過ぎまで長寝をしていた。長寝、惰眠、朝寝……。『日本語シソーラス第二版』からジャンプして類語を眺めていると、『明鏡国語辞典第三版』の「朝寝」の用例に「朝寝を楽しむ」とある。編者や編集委員の先生方にもそんな日があるのかなと想像し、少し可笑し…
ベッドからずるりと落ちて目が覚める。スーツ姿のミイさんが何か言いながら駆け寄ってくる。どうやら、視界から突然私が消えて驚かせてしまったようだ。当の私は寝ぼけ顔で、頭の中にある言葉は一つ。まだ眠い。
初めて買ったCDは、St.Petersburg Cello Ensemble『Polovtsian Dances - Russian Symphonic Cello』だった。中学時代、吹奏楽部でオーボエを担当していた私は、『韃靼人の踊り』のオーボエソロに強烈な憧れを抱いていた。
昨晩すっかりミイさんの水筒の存在を忘れており、湯を沸かす隣でドタバタと水筒を洗う。麦茶のお湯割りを渡す。今日も無理せず。
最近ミイさんがもらってきた波照間の黒糖がしみじみと美味しくて、パソコンに向かう時いつもキャンディのようにひとかけら舐めている。
特に予定のない日、目が覚めてからもしばらく布団の中でうだうだしている。どうにか布団から這い出し洗濯を回したら、洗濯機が上がるまでまた布団に戻る。
ミイさんが早くに出勤する日のため、今朝は六時前に起きた。カーテンがぴっちりと閉まっている部屋は夜の続きにあって、ぼんやりと暗く少し重たい。
昨日のことすら満足に思い出せない。忘れてしまうのはヒトの長所だけれど、忘れたくないこともたくさんある。だから、日々の彼是を写真に収めている。
嬉しいもの、突然の休日。来週とシフトが入れ替わって、急遽ミイさんがお休みになったのだ。天気も良く暖かい日、なんだってできる。
家でコーヒーを淹れるようになったのはいつだったろうか、と少し懐かしむ目をしてみる。みたのだが、実はまだ一年も経っていないらしい。それだけ、今や我が家の生活に馴染んでいるコーヒーである。
「店員さーん、すみません顰蹙を一つ。」「失礼ですがお客様、もうお持ちでございますよ。」買い出しに出かけて三秒後、顰蹙を買っちゃーうとマスクを取りに帰ってきたミイさんとの一コマ。
先月、天井まで届く大きな本棚を作った。いわゆるDIYは得意としないが好きではあって、ホームセンターでツーバイ材やら金具やらをわんさと注文したのだった。
「最近春を感じる日も多かったのに今日は冷えたね」とミイさんに言ったら、「今日全人類がその話してるよ」と返ってきて笑った。
母から連絡があり、野菜を仕入れるため実家の最寄り駅へ向かう。
そういえば、自己紹介のようなことをしていなかった。と気が付いたものの、する必要はあるのだろうか。
一足早く、我が家はハッピーバレンタイン。ミイさんが休日だったのだ。
はじめまして、あるいは。