ヤカの散録

忘れてしまうあの日のひだ

2023年2月24日◆回転する今日

昨晩すっかりミイさんの水筒の存在を忘れており、湯を沸かす隣でドタバタと水筒を洗う。麦茶のお湯割りを渡す。今日も無理せず。

 

里芋の梅おろし煮が残っていたので、朝食で残っていた里芋を食べきった。昼はこれをうどんにしよう。少し湯を足し、間引いた若い小松菜を二房そのまま梅おろし汁に沈める。だらだらと洗い物をしている間、弱火でくつくつ。長いこと火に掛けていたのでうどんがへにゃりとして、大根おろしのやわやわと相まって少し疲れた体にそっと寄り添う。食べている間、なんだか昼寝をしているようだった。

 

最近は、少し賞味期限を切らしてしまった強力粉消費週間ということで、事あるごとにパンを焼いている。今日は新じゃがとベーコンのパン。荒くマッシュしたじゃがいもと他の材料をパンケースに入れ、スタートボタンを押す。終わり。ホームベーカリーは一度使い始めたら結構簡単で楽しい。仕事を再開しようとパソコンに向かっていると、忘れた頃に「ピーピーピー」と呼ばれ少しビクッとなる。急いで後入れのベーコンを放り入れ、今度こそ後は任せる。

 

仕事を終え、すっかり眠っていた。パンが焼けた「ピーー!」という音に起こされる。ほどなく、ミイさんが帰ってくる。危ない危ない。今日は仕事で嫌なことがなかった、と話してくれて安心する。「一日中毛を逆立てていたよ」と言うとミイさんは笑っていた。この頃仕事の話をしてくれて嬉しい。気にしいな私を気遣って疲れを口にしないでいてくれるのはミイさんの優しさ、それは分かっているけれど、少し零してくれた疲れや愚痴に私の中の独りよがりは成仏する。二人でお行儀悪くパンを千切ってもぐもぐもぐもぐ食べる。ペロッと一斤完食する。ミイさんが用意してくれたアールグレイでさっぱり。今日もよく食べたなあ。何やら食べることばかり書いていることに気が付いた、日記此即食の記録なり。

 

寝る前に水筒を洗う。明日もきっと麦茶のお湯割りを入れる。何事もない今日がぐるりと一回転する。