ヤカの散録

忘れてしまうあの日のひだ

2023年2月15日◆理想の普通

「最近春を感じる日も多かったのに今日は冷えたね」とミイさんに言ったら、「今日全人類がその話してるよ」と返ってきて笑った。

 

ミイさんの出勤に合わせて七時過ぎに起床。地元の小学生らが元気に登校する中、私は寝ぼけた頭でゴミステーションまで歩く。半袖半ズボンの少年が駆けていく。いつの時代も必ず一人はいるよなあ。洗濯するか一瞬悩んだが、やはり明日の朝にしよう。お湯を沸かして、ミイさんの水筒に麦茶のお湯割りを入れる。焼酎みたいな呼び方で気に入っている。

 

ミイさんを見送ったら私は二度寝に勤しむ。昼前に起きて、レースカーテン越しに差し込む日差しをぼうっと見つめる。冷凍ご飯を温めてアボカドとおかかを乗せ、そこに醤油を垂らして食べる。少しばかり仕事を進める。長時間続けての勤務はまだ難しい、残りは夕方に回そう。どうもぼんやりしてしまう。

 

お風呂を沸かし、帰宅したミイさんが入っている間に春菊としらすのチヂミを作る。少し前に母に教わって以来、お気に入りのレシピになった。ミイさんも気に入ってくれたようで、美味しそうにもりもり食べてくれてうれしい。明日は朝が少しゆっくりなので、最近観ている『ぼっち・ざ・ろっく!』をお供にコーヒータイム。はなやかで穏やかな一杯は寝る前の体に優しい。ミイさん、抽出の腕がどんどん上がっている。私だって!湯たんぽを用意し、今日も一日が終わる。

 

洗濯物は予定通り今朝回して、溜まっているというほどではない量の服やらタオルやらをベランダに出した。特段何があったというわけではない、でも理想の、いたって普通の日。