ヤカの散録

忘れてしまうあの日のひだ

2023-04-01から1ヶ月間の記事一覧

2023年4月21日◆終わらない下り坂は終わる

朝になったら起きて、部屋着のままゴミを出して、ベランダでオリーブに水をあげて、ミイさんの水筒を準備して、玄関から手を振り見送って、窓際に座りオリーブを眺めて、福だるまの様子を伺って、また布団に戻る。文字に起こせば何の変哲もない私の生活は淡…

2023年4月14日◆お味噌汁をこぼしても大丈夫

ミイさんが起きだす気配。私も目を開けねば、と思いつつもう一瞬だけ気を緩める。ハッと目を覚ますとミイさんはもうしゃっきり起きた顔をしていて、私も伸びをして急いでミイさんの水筒を準備する。やたらと眠たい朝だ。頭が重たいせいで重心が高い位置にあ…

2023年4月13日◆黒電話くんと丸底フラスコくん

冷蔵庫にホワイトボードが導入され、生活がまた一つ快適になった。今朝のゴミ出しについてメモを書いていたお陰で、冷凍庫の隅にまとめておいた生ごみを今度こそ捨てることができたぞ。小さく拳をぐっとする。些細なことだが、結構嬉しいものだ。よしよしと…

2023年4月11日◆ハンバーグは美味しかった

朝、いつも通りゴミ出しをしていると、ランドセルを背負った小学生や学生服姿の中学生の登校が再開していることに気付く。ぼんやりとしている私は、今日になってやっとそのことをお、と思ったのだが、もう新学期が始まって二週目のはずだ。明らかにぶかぶか…

2023年4月10日◆シャボン玉をエンタメに分類する

結局、昨日は軽い昼寝のつもりがしっかりと夕寝をしてしまい、玄関のチャイムが鳴る音に叩き起こされた。ハッと目を開けると部屋の中はもう暗くて、瞬時にすべてを理解した体が勝手に玄関へ走る。ミイさんごめん、おかえりなさい、今日もやってしまった、ご…

2023年4月9日◆日記を書いて読む、みんな同じだと知る

坂を上ってゆくミイさんを見送って、今日は朝寝に戻らず私もそそくさと外出の準備をする。日記屋月日さんが主催する日記祭の当日。今日を体調良く迎えられて良かった。シャワーを浴びて、髪を乾かして歯を磨いて、化粧をして髪を結う。気合いを入れた日ほど…

2023年4月7日◆千切れるような強風、苺の豆花風

空気が千切れてそこから血が出るんじゃないかと思うほどの強風。一日中おもてはびゅうびゅうと鳴っていて、世界のすべてが飛んでなくなってしまいそうな突風が吹くたびに、肩を強張らせていた。和室の障子、その後ろに窓があると分かってはいても、怖いもの…

2023年4月6日◆古ぼけたかすみ草は桜に似て

栗饅頭があまりに美味なる菓子にて、ヤカに衝撃走る――!思わず私の作画は『ベルサイユのばら』調になり、白目を剝き背景にはいかずちが落ちる。饅頭の上に薄く乗った羊羹が特徴的で、柔らかな生地に包まれた白餡はまさに甘露の味わい。中心に御座します一粒…

2023年4月5日◆向かい合うのではなく横に並ぶ

起き抜けにコーヒーを飲む。今朝はミイさんが淹れてくれて、素敵な休日の朝だ。そう、素敵な休日の朝なのだが、そこには真面目な顔をして静かにコーヒーを啜る二人がいた。何もギクシャクしているわけではない。昨日外出先で飲んだコーヒーがとてもクリーン…

2023年4月3日◆アラームをかけないで昼寝

怒涛の外出ラッシュを終え、久しぶりに一日家に籠る今日。ミイさんと一緒にゴミ出しをしてお見送りを終え、洗濯物をじゃんじゃか干して、オリーブをベランダに出して水をあげる。水をやった後だんだんとひんやりしてくる鉢が好きで、しばらく手を当ててじっ…

2023年4月2日◆桜の絨毯、「おかあさん」と呼ぶ

オリーブと福だるまを植え付けてから一週間が経った。オリーブの新芽は綺麗な若緑で、植え付けたときの写真と見比べると、やはり少しばかりにゅっと伸びているようだ。伸びた気がする、というのが気のせいではなく嬉しい。日に透ける緑が上へ上へ伸びていく…

2023年4月1日◆四月、光るものたち

今朝は気持ちよく晴れていて、シャワーを浴びている間に洗濯機をぐおんぐおん回す。いつもより多めの洗濯物を干しながら、今日が底抜けに明るい陽気で良かったと思う。四月。太陽をたっぷりと浴びたオリーブが放つ光に強く優しく包まれていなかったら、きっ…

2023年3月30日◆牙はぽろぽろと落ちた

少し綺麗な格好をして、だんだんと日が傾いてきた街を行く。今日のミイさんは早上がり。仕事の後少し足を延ばして、前の職場へ制服を返却するついでにそこで一緒に飲もうと話していたのだ。旧居に住んでいる頃は、結局一度もお邪魔できなかった。SNS越しに眺…