ヤカの散録

忘れてしまうあの日のひだ

2023年4月3日◆アラームをかけないで昼寝

怒涛の外出ラッシュを終え、久しぶりに一日家に籠る今日。ミイさんと一緒にゴミ出しをしてお見送りを終え、洗濯物をじゃんじゃか干して、オリーブをベランダに出して水をあげる。水をやった後だんだんとひんやりしてくる鉢が好きで、しばらく手を当ててじっとしている。部屋に深く日が差し込む朝は嬉しくて、ダイニングチェアを窓際によいしょと運ぶ。

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2023年4月2日◆桜の絨毯、「おかあさん」と呼ぶ

オリーブと福だるまを植え付けてから一週間が経った。オリーブの新芽は綺麗な若緑で、植え付けたときの写真と見比べると、やはり少しばかりにゅっと伸びているようだ。伸びた気がする、というのが気のせいではなく嬉しい。日に透ける緑が上へ上へ伸びていく様、春を頑張ろう、という気持ちになる。ひとまず病気も虫もないようで良かった。私の光よ、これからもどうかのびのびと生きてください。

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2023年4月1日◆四月、光るものたち

今朝は気持ちよく晴れていて、シャワーを浴びている間に洗濯機をぐおんぐおん回す。いつもより多めの洗濯物を干しながら、今日が底抜けに明るい陽気で良かったと思う。四月。太陽をたっぷりと浴びたオリーブが放つ光に強く優しく包まれていなかったら、きっと布団から動けなかった。私を窓際まで呼んでくれてありがとう、お水をあげようね。

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2023年3月30日◆牙はぽろぽろと落ちた

少し綺麗な格好をして、だんだんと日が傾いてきた街を行く。今日のミイさんは早上がり。仕事の後少し足を延ばして、前の職場へ制服を返却するついでにそこで一緒に飲もうと話していたのだ。旧居に住んでいる頃は、結局一度もお邪魔できなかった。SNS越しに眺めていたミイさんの古巣、楽しめるとよいのだが。

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2023年3月29日◆終幕ではなく幕間なのであって

恩師がこの三月末を以て定年を迎える。研究室の掃除ももう終えたのだと、数か月ぶりの便りにはそう記してあった。きっと疾うの昔に本棚から溢れたであろう書籍、いつ雪崩を起こしても不思議はない山積みの書類、辞書の入った段ボール、コーヒーメーカー。そして、その向こうに見えた背中。そうか、その研究室も空っぽになったのか。なってしまったのか。

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